AboutDish Gallery
もともと喫茶店であった生活雑貨店Timelessで開催される、お皿の上の展覧会・ディッシュギャラリー。
会期中は「調理された今のデザイン」をご堪能いただけます。
2018年9月21日(金)~10月6日(土)
あちこち旅をしていると、どんどん小さくなっていく飴玉のような儚い記憶の粒が、溜まってはいつの間にか消えていく。妙に惹きつけられる何でもない路地裏の景色だとか、たまたまが重なって出会った人だとか、初めて口にするはずなのに懐かしい異国の味だとか、僕はそれらの記憶を失うことを本当に名残惜しく思う。だけどいつまでも瞼に焼きつく、鮮明な色というか強烈な匂いというか、ある強烈な印象を放ったまま脳の一部にしっかりと保存されるものも、いくつかある。埃っぽい長距離バスの軋む座席のうえで、乾いた風の抜ける駅のプラットホームで、古いけど陽当たりの良い宿の窓辺で、1人で入った名も知らぬ町の食堂で、僕はそれらを目にしたはずだ。そして少しだけ遅れてシャッターを切ったはずだ。愛すべきは、そんな時間だ。本もケータイも閉じて、なーんにもしないで退屈に身を任せる、そうすることを恐れない。それが旅する者にだけ与えられた特権なのだと思う。
Studio Journal knock
Studio Journal knockは、世界各地の表現者たちを訪ね、彼らの創造的な日常を綴るビジュアルマガジンです。作品だけではなく、作品が生まれる背景へと旅することで彼らの発想の源流を探ります。本書は写真家である西山勲によるアーティストを被写体とした長期的なドキュメンタリープロジェクトであり、極めて個人的なストーリーを綴った旅行記でもあります。
西山勲 | 1977年生まれ、福岡県出身の編集者・写真家・グラフィックデザイナー。世界中のアーティストを訪ねるビジュアル誌『Studio Journal knock』を2013年に創刊。旅先の宿をオフィスに個人で編集・制作・発行まで旅先で行うスタイルで、これまでタイ・カリフォルニア・ポートランド・中南米・ヨーロッパと5タイトルを発行。現在は次号出版に向け、北・中・東欧諸国を巡る取材旅行中。雑誌「TRANSIT」やWebマガジン「Making Things」などでインタビュー・撮影・執筆まで行う。
Studio Journal knock | http://knockmag.com/
2018年10月6日に静岡市のスノドカフェにてアフターパーティー/トークショーを開催。
Studio Journal knockの著者・カメラマンである西山さんから制作のきっかけや旅の裏話などをたっぷりお話いただきました。
もともと喫茶店であった生活雑貨店Timelessで開催される、お皿の上の展覧会・ディッシュギャラリー。
会期中は「調理された今のデザイン」をご堪能いただけます。